イベント「バンライフを語る夜」と渡鳥ジョニーさんの話
たまにはキャンプや登山以外のライフスタイル的な話題を。
先日、Tiny's Yokohama Hinodetyoという日の出町高架下のコミュニティスペースで開催された、バンライフに関心がある人が集まってBBQをするという、ちょっとマニアックなイベントに行ってきました。
そもそも「バンライフ」ってなに?という方の為に少し説明を。
おそらくこの言葉が知られるようになったのは、2015年から2017年にかけてのこと。家を捨ててバンに荷物を詰め込み、旅をしながら車上で暮らすライフスタイルを「バンライフ」といいます。
そして「バンライフ」を説明するには、フォスター・ハンティントン(Foster Huntington)という人を避けては通れません。
ハンティントンは元々ラルフローレンや出版社のハーバーコリンズで働いていました。彼はある日多忙な日々に嫌気がさし、家を捨ててバンで暮らし始めたそう。
彼はその後その車上での生活=バンライフの様子と、旅の途中で出会ったキャンパー仲間を彼のWebサイトRestlless Transplant やInstagramにアップし発信。そこから#vanlifeというタグと共に「Van Life」という言葉が中世界へ広まり、ミニマルで場所にとらわれない自由なライフスタイルを求めるコミュニティが形成されていきました。
その後ハンティントンはKickstartarを使ってクラウドファンディングを成功させ、彼のライフスタイルを収めた写真集を出版。
そこから更にVan Lifeというムーブメントが世界に広まっていきました。
そんなムーブメントを受け、日本にもそんなライフスタイルを実践する人が現れました。その一人が、今回のイベントのスピーカーであるハイパー車上クリエイターこと、渡鳥ジョニーさん。
このジョニーさん、まず気になるがそのプロフィール。以下はジョニーさんのサイト「LESS THAN HOUSE,MORE THAN CAR」からの引用。
「2004年 慶應義塾大学環境情報学部卒。在学中にはじめたウェブ製作のスキルを活かして外資系広告代理店に就職。/2009年 Googleのキャンペーンボーイに抜擢され、体当たりの芸風で全国各地を旅しながら動画による食レポを行う(元祖YouTuber)/2010年、結婚を機に暮らしかた冒険家として活動開始、「結婚キャンプ」を広める。震災後は熊本に移住し、「古民家リノベ」や「高品質低空飛行生活」、「物技交換」など震災以降の暮らしかたを模索。/2014年には坂本龍一ゲストディレクターに招聘され札幌国際芸術祭に出展。忘れられた土地“裏札幌”にて都市と自然を使いこなす暮らしかたを提案。/2018年、離婚を機にベースを東京に移し、シェア時代の働き方や暮らし方を模索中。」
このプロフィールもさることながら、ジョニーさんのサイト上のキャッチが秀逸すぎて、バンライフが気になる僕のような人間にはその言葉がグサグサ刺さります笑。
「LESS THAN HOUSE, MORE THAN CAR 車以上、家未満。その間の、自由で上質な暮らし。」「VAN LDK」など、コンセプトがまっすぐに伝わる言葉の連続。
このジョニーさん、生活は車上ですがマイホームはベンツ、拠点は永田町GRIDというコワーキングスペースというあたりも面白い。
そして本当に必要なものだけを車に積み込み、お風呂や洗濯、クローゼットなどの外部サービスをうまく活用しているところもこれからのシェアエコノミー時代を先取りしているし、海外のバンライフを日本の環境に合わせてアップデートしているところもすごい!
イベントに話を戻すと、この日は簡単にジョニーさんが上のようなプロフィールを紹介した後は、この日集まったバンライフに関心を持っている人たち同士の交流がメインでした。
この日集まったのは約30名弱くらい。こんなにバンライフに興味がある人が世の中にいたのか、とちょっとびっくり。皆ジョニーさんと交流ができて満足げでした。
僕もこの日の参加者と話してみると、キャンピングカーを販売しながらバンライフを盛り上げようとしている女性がいたり、シェアエコノミー事業を運営している人、バンライフで地方を盛り上げようという人など、立場は違えどみなバンライフに可能性を感じています。
参加者と情報交換をしていて気づいたのは、日本に海外のバンライフをそのまま持ち込むのではなく、日本の環境にあったスタイルにカスタマイズしたいという人が多いこと。
例えば日本は道路が狭かったり、アメリカやカナダの山岳地帯のように所有者がいない土地はほぼありません。そんな日本でバンライフを実践するには、車上生活者の為のインフラが必要になってくるはずです。例えば道の駅やスーパー銭湯、キャンプ場、ガソリンスタンドなどがそういったインフラになり得るのではないでしょうか。
そしてそういったインフラを日本に整えていくためには、どうしたらいいのか?
おそらくその為には最初のステップとしてバンライフというカルチャーの知名度を上げバンライフ実践者を増やすことが必要。その為にはジョニーさんのようにWebで発信をする人や、こういったバンライフに関する情報交換の為のイベントが重要になります。
また僕は、いきなり家を捨て車上生活をスタートするのではなく、最初は家に住んだままバンライフも並行して実践していく「セミバンライフ」というスタイルをお勧めしたいと思っています。その方がいきなり家を捨て、車上生活100%に踏み出すよりもかなりハードルは下がるはず。そして自分の合うライフスタイルを探りながら、自分に合った形のバンライフのスタイルを見つけやすいのでは?と思っています。
実は僕もキャンプや登山をきっかけに、最近は自分がのっている軽バンの後部にベッドを積めるようにカスタマイズしたり、カーサイドタープを購入するなど、車中泊をいかに快適にするかを研究しているところです。
今後はさらに太陽光パネルや車載バッテリーなども導入を検討中。
今後日本に新しいバンライフの形が生まれ、住宅ローンや長時間通勤から開放された自由で豊かなライフスタイルを送る人が増えていくこと。そんな未来が実現するのが楽しみです。
Restlles Tlansplant(Foster Huntington )
http://www.arestlesstransplant.com
LESS THAN HOUSE,MORE THAN CAR
車以上、家未満。その間の、自由で上質な暮らし(渡鳥ジョニーさん)
Tiny's Yokohama Hinodetyo