登山初心者にオススメ!歴史と絶景とパンケーキがある神奈川大山
神奈川県の秦野という都心からそれほど遠くない場所にあり、はるか昔から山岳信仰の対象となっている山、大山。
今回は、登山初心者であるぼくが、まずは手始めに大山登山にチャレンジした話。
実はこの大山、フランスのミシュラン社が発行する旅行ガイドブック「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に紹介されたりと、世界的な観光名所としても有名な山だとか。
なぜ今回大山なのか? 少しだけその辺りについて。
これまではキャンプ中心で登山経験はない筆者。最近、低山トラベラー大内征さんの著書「低山トラベル とっておき低山30座の山旅ガイド」という本の影響で、うっかり低山登山をはじめることに。とりあえず最初に登るにはどの山がいいのか悩んだ結果、神奈川在住の身としては、まずこの大山が筆頭候補として浮かんだわけです。
なぜか?
まず、大山はロープウェイも完備しているので、おじいちゃんおばあちゃんも訪れるという、体力がない人に優しい山なんです。
あとは神奈川在住なので、アクセスしやすいというのも理由の一つ。
神奈川からなら車で1時間前後、都心からでも2時間前後で登山口に到着できそうな距離。これらを総合すると、登山初心者にはもってこいの山ではないでしょうか。
「つーか日和りすぎじゃない?」「いやいやロープウェイ無しの大山は侮れないよ」という貴重なご意見を周囲から有り難くいただきつつ、ひとり車でいざ大山へ。
もちろん心の中では、「ロープウェイなんか俺は使わないぜ」と思っていますが、ことさらに周囲にそれを言っていない僕。もちろん、あまりにもきつかった時の最後の手段を自らつぶす事はないという、小狡い算段です。
さて、登山当日。大山の伊勢原市営第一駐車場に車を停めると、7リットルの小さめバックパックに最小限の荷物を詰め、大きな案内図がある大山の登山口へ。
ちなみに市営駐車場は、普通自動車が一日あたり600円で駐車できます。この日は平日で11時前とやや遅めの到着でしたが、僕で最後の駐車枠でした。普通車は84台、大型車は6台収容の大きめの駐車場ですが、週末は特に混んでいるそうですので、出発はお早めに。
登山口に入ってすぐ見えるのは、大山名物のとうふなどを売っているおみやげ屋さんが両脇にならぶこま参道。
そのこま参道を抜けると、すぐにロープウェイの駅が見えてきますが、駅の左手にはロープウェイを使わない登山口が。
ロープウェイの駅にどんどん吸い込まれていく年配の登山者を横目に一瞬迷いつつも、ロープウェイの駅をスルーし、僕はひとり登山口へ。
登山口の先には八意思兼神社という神社がすぐに出てきますが、そこで登山道は二つにわかれます。僕の目の前には男坂と女坂という2つの道を案内する看板が。
昨日の夜に読んだ大山の登山情報によると、どうやら男坂は若干険しく、女坂の方が少しだけ緩めとのこと。ここは男だし迷わず、といきたいところでしたが、当方初心者のため、とりあえずは女坂を選択。笑。
ただ、ここで女坂を選ぶのにはもう一つ理由が。実は「女坂の7不思議」と言われるスポットが道沿いに点在するんです。こういった歴史的な文脈を楽しむのも、低山登山の楽しみの一つ。
女坂に入って若干緩やかな坂を上っていくと、7不思議の一つ目、「弘法の水」が目に入ります。弘法大師が岩を杖で突いて水が湧き出たという伝説があるそうです。
その後も子育て地蔵や爪切り地蔵など、7不思議のスポットが続々と続きます。その辺についてはまた機会があれば別記事で書きたいと思います。
4つめの七不思議、「逆さ菩提樹」を過ぎたあたりで、「前不動」と呼ばれる味のある建物が現れます。
その後すぐに大山寺への長い石段が。
大山寺は紅葉で有名ですが、実はここから5分ほどの場所にもケーブルカーの駅があり、万が一途中で体力がつきてもケーブルカーで下社まで上れるという、初心者には優しい仕組みになっています。
大山寺の後も7不思議の5番目の無明橋、6番目の瀬音洞、7番目の眼形石と不思議スポットが続きます。
やや息が切れて少し弱音をはきそうになってきた所で、大山阿夫利神社下社まであと5分という表示が見えてきました。ちなみにここが男坂と女坂が合流するポイントになります。
阿夫利神社の下社近辺では、ラーメンやビールを販売する茶屋や、サンドイッチやスイーツを提供しているお洒落なカフェも。参拝客も多く訪れ、ここがモノレールの最終地点となっています。
ビールとラーメンの誘惑をなんとか断ち切り、権田直助翁の像を横目にみつつ、その下社の左横を通り抜けるように進むと、大山の頂上への登山口が待ち構えています。
もちろん安全祈願はしっかり済ませて、いざ頂上へ。
いきなり急な石段が延々と続きますが、その後もゴツゴツした岩場が続くので、ちょっと気合いが必要です。
ただ7不思議の一つで有名な夫婦杉や、天狗の鼻突き岩なんかもあり、登りながらも大山ならではの歴史や文脈を味わいながら登山できます。
途中ではヤビツ峠からの道との合流地点も。
27丁目の鳥居をくぐると、しばらくして頂上の阿夫利神社 本社が見えてきます。
これでついに標高1252mの大山登頂完了です。大山頂上からの見晴らしは本当に格別。
絶景富士山ビューに加え、丹沢山などの山々を一気に眼窩におさめることができます。
だいたい所要時間は片道で2時間前後といった所でしょうか。実は帰りは下社のカフェで誘惑に負けてビールを飲んでしまい、そこからはケーブルカーを使って下山しました。
ちなみにこの下社の近くにある「Kurumi」というカフェがなかなかオススメ。
内装屋さんがプロデュースするお店だけあって内装もお洒落。
このカフェの売りは何と言っても焼きたての熱々パンケーキ。ソーセージとと目玉焼きとパンケーキのセットを注文したのですが、激ウマでした!
ということで、歴史あり、絶景あり、お洒落なカフェあり、うっかりビールを飲んでしまった時のセーフティネットとしてのロープウェイありと、初心者として登山を楽しむにはこれ以上ないという神奈川大山の登山についてのレポートでした。
#低山登山 #低山トラベル #低山ハイク #大山