ニッポン野遊び化計画

いい歳こいた大人が全力で外遊びをするアウトドアブログ。キャンプ・低山登山にくわえて、バンライフや多拠点居住などのライフスタイル系も。アウトドア初心者にもオススメ。

【前編】低山トラベル@奥の院ツアー

「低山トラベル」ってなに?

かなり昔に美術館に印象派の展示を観に行って初めて音声ガイドをかりた時のこと。

各画家の関係や生い立ちや関係、作品の制作過程などをリアルタイムで機器ながら鑑賞できるので、各作品が文脈をもってより立体的に目と頭の中に飛び込んでくる感覚があったのを覚えてます。

その約10倍(自分比ですが)、いや20倍くらい?の感動があるのが低山トラベラー大内征さんが提唱する登山スタイル「低山トラベル」。

 

これはピークハント(山頂到達を目指すこと)だけにとらわれない「山 x 歴史探訪・文化体験」をテーマとする登山スタイルです。


今回はCHUMS表参道店さん主催のツアーで、東京都青梅市の御岳山からほど近い「奥の院」という山を大内征さんに案内してもらいました。

JR御嶽駅に9:45集合だったのですが、すでに駅は登山客で超満員。
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ちなみに御嶽駅周辺には以前セブンイレブンがあったのですが、最近閉店してしまいました。

 

なので山での昼食を購入しようと思ったら他の駅で購入しておくのがオススメ。

 

ただこの日は天気のよい土曜日だったせいか、近所のカフェがサンドイッチを臨時で販売してました
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今回のツアー参加者約20名全員が揃ったところで、ロープウェーの駅に向かうバス停にむかいます。
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が、すでにそこには100人近くの登山客の行列が。そのせいで臨時のバスがでるほど。
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待つこと20分ほどでバスに乗り込み、数分でロープウェーのふもとの駅、滝本駅に到着。

 

カラフルなロープウェーが下ってくるのが目に入ります。

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駅構内では鮎の塩焼きやだんごが売っていていい匂いが漂っています。でもここではまだガマン。

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懐かしのヒット曲「だんご3兄弟」が流れていて周囲からは「懐かしすぎる〜」なんて声が。

ロープウェーであがればあっという間に御岳山駅ですが、歩いて登ると御岳神社まで1時間以上はかかるとか。

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そんなわけであっという間に御岳山駅に到着。
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御岳山駅でまずはオリエンテーション

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CHUMSスタッフさんのキャラの立った(笑)自己紹介やツアーの説明の後は、征さん主導でかんたんなストレッチを。

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ここで早くも征 さんのストレッチに関する知識やほどけにくい靴紐の結び方の知識が披露されていました。さすが!
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いよいよ登山開始。

 

全員でのストレッチがおわったら、いよいよ登山開始。

まずは案内板で現在位置を確認してから登ります。

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すでに紅葉がきれい。
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ふと前を見ると、歩きながら征さんが道の葉っぱを拾い上げています。

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「ん?」と思ったら、ヒノキとスギの葉かんたんな見分け方についての知識を披露してくれました。恥ずかしながらぼくはまったく見分け方を知らず...勉強になります!

ちなみに向かって左がヒノキ、右がスギ。スギの葉が固くて先がとがっているのに対し、ヒノキの葉は柔らかくて平べったく、先が丸いのが特徴だそうです。

参道途中には見事な茅葺きの民家が。
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こちらは博物館か何かのようにも思えますが、実は一般の民家だそうです。うっかり中に入ったりしないように。


御岳神社への参道には「宿坊」とよばれる宿が点在しています。

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ちらは参詣者が泊まる宿で、場所によっては一般の方でも宿泊が可能。征さんは毎年泊まっていて、地のものを使った料理がめちゃくちゃ美味しいそうです。

途中には「神代欅」と呼ばれる樹齢1000年の木が存在感を放っていました。

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なんだか何かが棲んでそうな雰囲気。なぜか石や鉄板が幹にめり込んでいるのも気になります。

土産物屋さんが立ち並ぶ狭い参道をくぐり抜けるといよいよ境内へ。

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全員が手水をして体を清めてから中へ。
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ここで征さんが急に道をそれ、横のスペースへ。

なんとここは有名な「大菩薩峠」という小説にでてくる舞台だとか。

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ここで大菩薩峠について簡単に説明してもらいました。さすが「文系登山」を推奨するだけあります。博学。


こういう見逃しがちな見所もしっかりと案内してくれるのがこの低山トラベルの魅力。

またその後境内への階段の途中にあるたくさんの「○○講」という石碑についても解説。
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「講」とは、信仰をともにする人たちの集まりを指していましたが、その後徐々に信仰とは無関係の同志的結社も意味するように。

 

ようするに講は村落社会や都市の伝統社会における人々の集まりの単位として機能していたとか。


信仰は川に沿って広がるのは、世界史をみても明らかですが、ここ御岳山でも武蔵御嶽神社を信仰する多摩川沿いの農村の沢山の「講」が、この場所に詣でにきていた証がこの沢山の石碑だそうです。

 

もちろん石碑を建てるには寄付が必要になり、その寄付の金額によって石碑の大きさや場所が違うとか。「JA」の文字も沢山あったり。

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このあたりはかなり興味深いところ。

 

ここからいよいよ境内ですが、長くなったので続きは後編へ。

 

(後編に続く)